圏域の位置・環境

当圏域は、南会津町を中心とする3町1村で構成され、福島県の最南端に位置し、総面積は2,341,53平方キロメートルと広大であり、その90%以上のが山林原野である。東南は那須連峰によって栃木県と、西は越後連峰によって群馬・新潟県に境し、この諸峰より発生する水は阿賀川支流となり、そのひとつは只見川となって日本海にそそいでいる。

また、考古学からの観点からも古く五、六千年以上前からの縄文土器や遺品は郡内の随所に発見されており、鎌倉時代には、旧田島町を中心とした長沼氏、旧伊南村を中心とした河原田氏、大沼郡横田を中心とした山内氏等の支配をうけ、旧幕時代は天領(幕府直轄)として会津藩御領家という複雑な形をとり大川流域は会津藩裏街道の宿場となり、伊南川・只見川流域は小羽板・免板・麻などの主産地であった。

近年に至っては、農業技術の進歩と基盤整備事業に伴い、耕地の増大によって米作も盛んとなり、そのほかに、花き・アスパラガス・高冷地そば・トマトの生産や、ぜんまい・わらび・なめこなどを主体とした山菜加工も盛んである。

観光においては、年間数十万人の観光客を迎える日光国立公園尾瀬地域を主体として、県立公園である大川ライン・田子倉湖・奥只見湖の人造湖など自然の景観にめぐまれ、温泉は湯野上・界・湯ノ花・木賊・小豆・檜枝岐など、いずれも出合いの湯としての味わいがある。

また、奥会津の山々には、七ヶ岳・田代・帝釈・窓明・駒ヶ岳・燧ヶ岳・朝日岳・浅草岳などいずれも1,500メートルから2,300メートル級の山々が連なり、また、高層湿原も多く特別保護地区の尾瀬ヶ原をはじめ、駒止・田代・黒岩・宮床湿原などが代表的である。

なお、首都圏から鬼怒川を経て会津高原に通じる会津鬼怒川線開通や、会津線の第3セクター化(平成2年10月会津高原駅~会津田島駅間電化)さらには国道400号尾瀬トンネルの開通により、交通網の整備が進むに伴い大規模なスキー場の建設が進み、地域活性化の主要な資源となり、シーズン中には県内外から数十万人のスキーヤーが訪れ親しまれている。