熱傷(やけど)に対する応急手当
熱傷(やけど)の程度を調べる
熱傷の程度は、熱傷の深さ(皮膚の状態)と熱傷の広さから判断します。
【熱傷の深さ(皮膚の状態など)を調べる】
・赤いか(Ⅰ度)
・水疱か、水疱が破れた状態か?(Ⅱ度)
・白っぽいか?(Ⅲ度)
【熱傷の広さを調べる】
簡単な方法として、手(しゅ)掌(しょう)法(ほう)があります。傷病者の片手の手のひらの面積が体表面積の1%と考えて、熱傷の面積を調べるものです。
大人の場合には、「9の法則」により、乳児の場合には、「ブロッカーの法則」により、熱傷の部位をもとに、体表面積に占める熱傷の広さ(%)を調べることができます。
【熱傷時の対応】
1.熱傷の程度が次の場合は「重症の熱傷」であり、直ちに救急車を呼び専門医による処置を受ける必要があります
(1)Ⅱ度の熱傷で、体表面積の30%以上の熱傷
(2)Ⅲ度の熱傷で、体表面積の10%以上の熱傷
(3)顔の熱傷で、Ⅲ度の熱傷または鼻毛が焦げたり痰が黒色になっている熱傷(気道熱傷)
(4)老人や乳児では、熱傷の広さが狭いときでも、重症となる場合がある
2.比較的軽い熱傷(Ⅰ度の熱傷、狭い面積のⅡ度の熱傷)のとき
(1)できるだけ早く、きれいな冷水で15分以上痛みがなくなるまで冷やす
※Ⅰ度の熱傷で広い範囲の場合は、冷やすときに体が冷えすぎないように注意する
(2)十分冷やしてからきれいなガーゼを当て、三角巾や包帯などをする
(3)靴下など衣類を着ている場合には、衣類ごと冷やして脱がさない
※皮膚が捲れてしまうことを防ぐため。なお、化学薬品による熱傷は除く
(4)水疱を破らないように注意する
(5)薬品を塗ってはならない
3.重症の熱傷のとき
(1)広い範囲の熱傷の場合は、きれいなシーツ等で体を包む
(2)Ⅲ度の狭い範囲の熱傷の場合は、きれいなガーゼやタオル等で被覆する
※重症の熱傷のときには、冷却のみに時間を費やさずに、できるだけ早く専門医の処置を受ける必要がある
4.化学薬品による熱傷のとき
(1)衣服や靴などを早く取り除く
(2)体についた薬品を水道水等で20分以上洗い流す
(3)目に入った場合は、水道水等で20分以上洗い流す
(4)熱傷したところを、きれいなガーゼやタオル等で被覆する
(5)薬品を洗い流す場合は、ブラシ等でこすってはならない
(6)化学薬品に限らず目の熱傷の場合は、絶対に目をこすってはならない